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大麻布の村サパへの旅をおえて

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今回のベトナム山間部の麻を布を求める旅ももうすぐおしまい、明日の早朝にはハノイを経ち帰国の途につきます。
ずいぶん久しぶりに始めての国にいくとあって少なからずドキドキしましたが、おかげさまでご縁がつながって、今後スワラジの製品やワークショップのための大麻布を注文できました。
麻の布を産出しているサパは、今から三十年前くらい、アメリカとの戦争が終わって間もないときに中国軍が侵入してきて主な戦場になったラオカイも近く今でも村の人はその時のことをよく憶えていました。
一時はサパの市街は破壊され中国の軍隊に占拠されたものの、米国との戦争で奪った最新の兵器と長い実戦を続けてきた経験豊かなベトナムの精鋭部隊によってサパ及び北部地域の奪還を果たして、数に勝る中国軍を追い払ったのです。
ところが、三年間ほど前にこの戦争の残した地雷でモン族の子供が犠牲になったと聞きました。
中越戦争はあくまで中国とキン族(ベトナムの主要な民族)の争いだったらしく、モン族の村が襲撃にあうことはなかったみたいですが、こうした被害は少なからずあったようです。
モン族はタイや、ラオス、中国雲南省、ベトナム、アメリカに多くの住んでいて国境と時代に翻弄されながらも数あるインドシナ半島の山岳民族の中でも主要な位置を占めています、そんな彼らのアイデンティティの根源でもある麻布を昔ながらのシャーマニズムの村に直接お願いできたのは私にとっても、素晴らしい経験でした。 失われつつある日本の麻と今も現役、人々の暮らしの中に生きているモン族の麻とが互いに結ばれて未来につながっていければいいなと思います。

ハノイ旧市街イーストゲートのカフェにて


by swaraj | 2014-09-22 08:23 |
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